チャンコーチにスマッシュ連打。対策万全の錦織圭がマスターズに挑む (2ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 ただでさえ癖のあるアルゼンチンのサーフェスになんとか慣れ、決勝まで勝ち進んだ直後に移動したリオのコート。そのリオの初戦で当たったのは、地元ブラジルのトマス・ベルッチ。独特なコートで、ベルッチの応援一色に染まるスタジアムで戦った錦織は、種々の環境へのアジャストに苦しみ、初戦で敗れた。

 それらの苦い経験を生かすことを、錦織は胸に期す。

「もちろん落ち込みはありましたが、アルゼンチンからリオへのアジャストが難しかったこともあり、そこまで引きずるようなことはなかったです」

 リオからすでに気持ちを切り変えた彼は、新たな環境にアジャストすることに主眼を置いて、インディアンウェルズで練習に取り組んでいる。開幕戦を3日後に控えた木曜日にも、2度の試合形式の練習を終えた後に、克服しておきたい課題が見つかったのだろう。マイケル・チャンとダンテの両コーチをともない、次の練習コートへと直行する錦織の姿があった。

 砂漠地帯に広がるインディアンウェルズの町では、湿度は極端に低く、日中の陽ざしは容赦なく肌を焼く。そのような状況下のテニスでは、多くの選手がロブなどの高いボールの処理に戸惑うという。

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