ポスト錦織圭を育てられるか。日本テニス協会がフランス連盟と提携 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 FFTは、WCを与えることを契機にして、レッドクレー(赤土)コートで、世界中の多くのジュニア選手がより多くプレーをできるようにしたいと目標を掲げている。この予選会は2014年の中国を皮切りに、昨年までに合計5ヵ国で開催され、今年は新たにアメリカでも行なわれる。

 さらにFFTには、レッドクレーでのテニスの面白さを伝えるだけでなく、まだまだ日本で少ないレッドクレーのコートサーフェスをもっと普及させたいという狙いがある。

「レッドクレーは、フランスにとってスポーツDNAの一部です。ここ数年で、日本におけるレッドクレーの普及に貢献したい」

 このようにFFTのジャン・ガシャサン元会長(2月18日に会長を交代)は語り、さらにレッドクレーと人工素材を融合させた新開発の"Gクレー"という次世代サーフェスも浸透させたいという別の思惑もある。

 レッドクレーでのテニスでは、表面のレンガの粉によって球足が遅くなり、試合時間が長くなるため心技体すべてが問われる。ヨーロッパや南米と違って、日本では馴染みの薄いサーフェスのため、レッドクレーを苦手にしている日本選手は多く、例えば伊達公子のレッドクレー嫌いは有名な話だ。

 だが、ローランギャロスに限らず、ワールドテニスツアーでは、レッドクレーの大会が多く開催されているという状況を踏まえると、日本選手がFFTの施設を利用してレッドクレーで練習する機会が増えるのは有益で、エントリーする大会の選択肢を増やすことができる。

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