ラオニッチ、錦織、ディミトロフ。
「ビッグ4超え」は彼らの使命である

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「彼は、なぜ彼が"ラファ"であるかということを強烈に証明した」

 個性がにじむ言い回しでそう言ったのは、全豪準決勝でナダルにフルセットで敗れたディミトロフである。5時間に迫る死闘の末に、ディミトロフはひとつのダブルフォルトを機にブレークされ、対するナダルは危機をサービスエースで逃れた。

 積み上げてきた栄光と、踏破した場数に依拠する自信や集中力の差が、「ビッグ4」と後続を今なお峻烈(しゅんれつ)に隔てている。

「フェアリーテイルのような決勝戦」は、多くのファンに郷愁を伴う甘美なひと時をもたらした。ただ、それが"おとぎ話"として人の心を打つのは、「本来ならあり得ない奇跡的な出来事だ」という大前提があるからだ。

「世代交代は起きるべき」との認識は、人々の意識の根底にある。それを起こすのは、次代を担う者たちの使命だ。

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