錦織圭、ついにフェデラーと4大大会で
初対決。どちらにとっても試金石

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 2016年2月に、フェデラーは左ひざの手術をしてから一旦復帰したが、ウインブルドンで再び左ひざを痛めて戦列を離れた。そのため今季復帰を果たしたフェデラーは、世界ランキングを17位まで落としており、現時点では錦織が5位のため、今までとはランキング上の立場は逆転してしまっている。

 フェデラーは、「(4回戦の)本命はたぶん圭だよ(笑)」とリップサービスしたうえで、今の錦織を警戒する。

「圭が本命か、自分が本命か、そんなことは問題じゃないよ。ここ数カ月、圭は明らかによりよいテニスをしている。でも、新シーズンが始まったんだ。(4回戦で)何が起こるかはやってみないとわからない」

 3回戦で第10シードのトマーシュ・ベルディヒ(10位、チェコ)をストレートで片付けたフェデラーを見れば、17位が妥当なランキングではないことは明らかだ。錦織もそのことを十二分に認識し、挑戦者として気を引き締める。

「ランキングはそんなに関係ないです。今日のテニス(フェデラーの3回戦)を見る限りでは、すごいいいテニスをしているので、普段の、平常心で臨みます」

 錦織のフォアハンドストロークが、最大の武器だと自他ともに認知されているが、フェデラーは、錦織のバックハンドストロークに最大限の評価をしている。かつて世界最強のフォアを持つと言われたフェデラーだけに、錦織のフォアには打ち負けない自負があるのだろう。同時に、錦織の才能を最も認めているひとりでもある。

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