錦織も気をつけて。全豪でジョコビッチが117位に敗れる大波乱の背景 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 グランドスラムで、ジョコビッチと数々の名勝負を演じてきたラファエル・ナダル(9位、スペイン)は、ジョコビッチのアップセットを、いたって冷静に受け止めた。

「今日起こったことは、たぶんアクシデントのようなもの。ノバクはいいプレーをしている。誰もがコートに出て負けるケースはある」

 ジョコビッチは5月に30歳になるが、1年前に見せていた絶対王者のような強さが影を潜めているのは確かだ。だが、競争が激しい男子テニス界で長く勝ち続けることはまさに至難の業で、ジョコビッチ自身も「(グランドスラムの)メインドローには100人以上の選手が名を連ねてプレーしている。年々、テニスのクオリティは上がり続けている」と、自らも少しずつ進化していかなければ、時代に取り残されてしまうことを痛感している。

 2017年シーズンの開幕戦、ATPドーハ大会(カタール)で、ジョコビッチはすでに今季初優勝を遂げて、いいスタートを切っていた。

 ジョコビッチにとっては、同い年のマリーが一番のライバルであるのは間違いないが、再びジョコビッチの闘争心に火をつけるのは、今季復活を期す35歳のロジャー・フェデラー(17位、スイス)や30歳のナダルだったりするのかもしれない。いずれにせよジョコビッチは、必ず巻き返しを図ってくるはずだ。

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