ロディック、ヒンギスが語る「錦織圭がグランドスラム制覇する条件」 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 サーブでのフリーポイントとは、サーブを1球目と数えて、ふつう3球以内でポイントを取ることをいう。簡単に言えば、強力なサーブで相手を崩して、自らのポイントを容易に獲得することだ。

 やはり男子テニスでは、マリーが難局を乗り切ったように、サーブ力がある方が有利であることは事実である。だが、錦織が今から時速210km以上のサーブを打てるわけではないので、ファーストサーブの確率や、セカンドサーブのコースや球種や配球などのプレースメントが錦織にとっては生命線になる。

「バックハンドのダウンザラインは、非常にいい武器だと思いますけど、毎回それが通じるかというと、やはり厳しいでしょう。やはりサーブがキーポイントになるのではないでしょうか。明らかに、(錦織が)トップレベルに行くものはあると思いますが、トップに行けば行くほど、すべてにおいてマリーやジョコビッチは、ワンランク上に行っていますので、それを打ち破る何かが必要だと感じます」

 男女の違いはあるものの、ヒンギスも錦織もテニス界屈指の優れたショットメーカーであるという共通点がある。そんな彼女の言葉だからこそ、説得力があり価値がある。

 シングルスで世界ナンバーワンだった頃のヒンギスも、女子テニス界にパワーとスピードを持ち込んだウイリアムス姉妹に対抗するために、あらゆる技術と戦術を駆使して、打開策を見出そうとしていた。

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