錦織圭がマリー、ジョコを越えるために
「やるべきことはわかっている」

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 トップ10選手との対戦では5勝13敗。負け越した要因はジョコビッチに0勝6敗、マリーに1勝3敗、この2人によるところが大きい(2014年シーズンが11勝7敗、2015年シーズンが6勝10敗)。リオ五輪の3位決定戦で、ラファエル・ナダル(当時5位)に勝ったり、US(全米)オープン準々決勝で、マリー(当時2位)に勝ったりして、錦織が意地を見せた場面もあった。

「トップ10の選手との対戦でたくさんいい試合があったり、勝ったりした。ナダルやマリー、勝てなかった選手に勝ててきているので、確実にステップは積めていると思います」

 また、マッチ成績は58勝21敗。2014年シーズンが54勝14敗、2015年シーズンが54勝16敗だったので、58勝は自己最多となった。ドミニク・ティエム(8位)と並んでツアー3位タイの勝利数だ。ちなみに1位はマリーの78勝9敗、2位がジョコビッチの65勝8敗だ。

「試合数ももちろん重要ですし、一番勝った年というのは、大きな意味があります。だけど、やっぱり大きな大会でどれだけ勝てるか、なので。今年マスターズの決勝に行けたり、USオープンでまたベスト4に入ったり、そういうのが徐々に増えてこないといけない。それが今年、さらに昨年よりもできていることだと思います。ちょっとずつ積み重ねていければいいかなと思います」

 錦織には、2016年シーズンをランキング3位、4位で終えるチャンスがあったが、ライバルたちに阻まれて、自己タイの年間5位でフィニッシュした(2014年5位、2015年8位)。

「結果的に見れば、一番いい年だった。5位で終われたのも価値のあることだと思う」と錦織は振り返り、さらに「チャンスがあれば、4位や3位に入っていける圏内にいる」と自信をのぞかせる。

 ボッティーニコーチも、「(4位や3位は)たしかに圭にはチャンスがあります。オーストラリアンオープンでの第4シードは、目標のひとつです」と来季を見据える。

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