心は熱いクールビューティー。ソフトテニス日本代表・平久保安純 (2ページ目)

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi

 競技の実力だけでなく、ルックスでも話題になっている彼女だが、「初対面の人にはクールな人だとか、話しかけにくい人だと言われます」と自虐気味に笑う。確かに、一見クールビューティーな「高嶺の花」タイプにも見えるが、実際はほかの部員たちとも仲がよく、毎日が充実しているという。

「大学生活もエンジョイしていますよ。買い物したり、散歩したり、料理をすることも。得意料理はグラタンです。栄養バランスを考えて食べるものを選んでいます。オフの日にはしっかり休んで、よく食べてよく寝るようにしています」

 軟式テニスとも呼ばれたソフトテニスの起源は古く、明治時代の日本で考案された。当時は、ローンテニス(硬式テニス)用ボールの国内生産が困難だったため、ゴムボールで代用したのが始まりだ。ローンテニスとの違いは、ゴムボールなので速球は打てない反面、変化がつけやすく、テクニックや駆け引きが重視されること。ほかにもラケットのガットテンション(張力)が緩いことや、ネットの高さ(中央部)がローンテニスより高いなどの差異がある。ソフトテニスは長年ダブルスが主流だったが、1993年から競技カテゴリーにシングルスも導入されている。

相手の体制を崩すテニスで、多くのタイトルを獲得してきた相手の体制を崩すテニスで、多くのタイトルを獲得してきた

 競技力は日本、韓国、台湾が抜きん出でていて、世界ソフトテニス選手権のタイトルも3カ国が独占している状況だ。特に韓国は圧倒的な力で世界タイトルを日本より多く獲得している。なぜなら、韓国のトップ選手の多くが、プロ待遇で競技に打ち込める環境でプレーしているからだ。日本はというと、実業団の廃部が相次いでおり、韓国に水をあけられている。それだけに、平久保は日本ソフトテニス界で大きな期待を持たれている。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る