全米ベスト4は錦織だけじゃない。テニスの新星・綿貫陽介とは何者か (3ページ目)

  • 和田哲也●文 text by Wada Tetsuya


提供:HONDA  ESTILO提供:HONDA ESTILO 理想とするのは、レイトン・ヒューイット(オーストラリア、元世界ランキング1位)。身長がほぼ同じということもあるが、コートを駆け回ってボールを拾い続けるスタイルをものにしたいと話す。

「今後の課題はパワー」という綿貫の体重は、現在60kg台前半。以前から線の細さに自覚はあったが、今年に入りシニアの大会に出場するようになってパワーの差を実感することがより多くなった。それを埋めるためにも、今年の冬は体重を増やすことに重点を置くというが、ひとつだけ悩みの種があるようだ。

「今までも、体を大きくしようとは思っていたんですが、太りにくい体質で......。でも、プロで活躍するためにはそうも言ってられませんよね。1日5食、大好きな寿司やすき焼きもガンガン食べたいと思います。あ、もちろん栄養を考えてですけど(笑)」

 持ち前のストロークにパワーがつけば、世界の強豪たちとも互角に渡り合えるはず。「自分から積極的に攻撃を仕掛けられるように進化していきたい」と話す彼にとって、身近にいる世界トップクラスの錦織は、刺激を与えてくれる貴重な存在だ。サポートメンバーとして帯同した先日のデビスカップでは、少しでも世界の空気を知ろうと貪欲にアドバイスを求めたという。

「リオ五輪、全米オープンでの活躍は、もう『すごい』の一言。デビスカップでは、錦織選手の隣でダニエル太郎選手の試合を見ながら、試合展開によってどんな対応をするか、どう気持ちを持っていくかなど、貴重なアドバイスをもらうことができました」

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