もう錦織のワンマンチームじゃない。デビスカップ上位進出を狙う日本 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 今回の代表メンバー4人全員で勝ち取った勝利を一番喜んでいたのは錦織のように見えた。これまでは錦織がシングルスで2勝しても、それを活かしきれないことがあり、WGでの日本の負けパターンになっていた。錦織のワンマンではチームとしての限界があったのだ。

「チームのみんながレベルアップして、自分自身も杉田選手とダブルスをして、新たな道も見えた。今回日本チームとして得たものがすごく大きかった」

 錦織はチーム全員での勝利の中で、とりわけ若手2人によるシングルスの勝利に日本代表チームのレベルアップの手ごたえを感じたようだ。

 今回の戦いでは、日本代表4人全員がトップ100という布陣で初めて臨み、WG残留を決めた。「WGにいることが、選手たちのモチベーションをよりつないでくれる」と植田監督は語るとともに、今後WGで日本がより勝っていくには、まだ課題が多いと指摘する。

「デビスカップでベスト8、ベスト4まで行きたいと願った時に、正直なところ戦力としてはまだ揃っていない。今、錦織がトップ5にいますが、少なくとも30位ぐらいに1人いて、50位ぐらいに1人いて、というところを目指して、一人ひとりが上げていければ、チャンスは来ると思う。今は(WGに)とにかく居続けることが、まず大切だと思う」  

 錦織以外の日本選手は、まだトップ100に入ったり落ちたりするかもしれないが、そこに定着する選手で臨めるデビスカップにしたいと、植田監督は来シーズンを見据える。

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