錦織圭がマリーに劇勝。「もう勝てない相手はいない」ことを証明 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 今までのマリーと違って硬くなっていることを錦織は感じていた。ゲームをコントロールしていたのは錦織で、ファイナルセットで第1、第5ゲームをブレーク。しかし、錦織4-3で勝利が近づいた第8ゲームで、40-0からマリーにブレークを許してしまう。それでも「なるべく落ち込まないように、常にポジティブにいるように意識した」という錦織は、お互い2ブレークで迎えた第11ゲームで、30-40からフォアドロップショットとフォアの飛びつきボレーで、再びブレークに成功。悔しがるマリーは、思わずラケットをネットに叩きつけた。

「僕が挑戦者だし、思い切ってプレーできた」と語った錦織は、60本のミスを犯したが、集中力を高く保ってプレーし、24本のフォアハンドを含めた48本のウィナーを打ち込み、3時間58分の激闘の末、強敵マリーから2度目の勝利をもぎ取った。

「十分にサーブがキープできなかった」と振り返ったマリーは、セカンドサーブのポイント獲得率が試合全体で39%だったが、特に第4セットは21%、ファイナルセットは37%と低く、いかにリターンから錦織が果敢に攻めたかがうかがえる。今までのマリーとの対戦ではあまりなかったが、錦織はマリーのサーブを9回もブレークすることができた。

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