錦織圭、「中国に立ち向かった卓球・水谷のように」宿敵マリーに挑む (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi


 また、懸念された錦織のファーストサーブは、確率こそ60%だったが、ファーストサーブのポイント獲得率は84%と高く、一度もカルロビッチにサービスブレークを許さなかった。

「(カルロビッチは)そんなにリターンがいい選手ではないので、あまり(サーブの)リスクを冒さなくてよかった。ファースト(サーブ)を入れとけば、何とかなるかなと思っていたので、なるべくファーストの確率を上げてプレーするように心がけていました」

 これにより準々決勝では、第2シードのアンディ・マリー(2位、イギリス)と対戦することになったが、対戦成績は錦織の1勝7敗で、直近の対戦であるリオデジャネイロオリンピック準決勝でも、ストレートで錦織が敗れた。

 マリーはツアー屈指のリターナーで、特にバックハンドのカウンターショットのキレは現在世界一といっても過言ではないが、錦織に対して警戒を怠らない。

「圭はニューヨークでいいプレーをする。彼は世界のベストプレーヤーのひとりで、とりわけハードコートでは強い。僕が彼を倒すには、2~3週間前(リオでの準決勝)のようないいテニスをする必要がある。とてもタフになるだろう」

 このように語るマリーは、それほど球威のない錦織のセカンドサーブに対して、ベースラインから約2mステップインしながらリターンをして、確実に錦織へプレッシャーをかけてくる。

「(マリーは)リターンゲームでは一番前に入ってきて、攻めてくる選手です。リターン力は、僕の中では一番いいと思うので、なるべくファースト(サーブ)を入れることがまた重要になると思います」

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