1億円ボーナスより目の前の試合。錦織圭は挑戦者を1人ずつ倒す (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「(結果については)あまり期待はしていないですね。1試合ずついい試合をしようと思っている。勝った負けた後に、結果は考えればいいこと。あんまりあそこまで行きたいとか、結果を出したいとか、あまり今はないですね」

 ただし、今のような考え方に至ったのは、錦織が2014年全米で準優勝した後、周囲の期待があまりに大きくなって、グランドスラム初制覇が取り沙汰された昨年の全米で、まさかの1回戦負けを喫したことが、きっかけになった。

「たしかに去年のこの大会はプレッシャーがありましたね。(2014年に)決勝まで行って、多少負担はあったと思う。そういう意味では、昨年1回戦負けしてよかったですね。あまりディフェンドもないですし、昨年と比べれば、そういうプレッシャーがないのは事実かもしれません」

 2回戦で錦織は、カレン・カチャノフ(95位、ロシア)と初めて対戦する。カチャノフは、ATPツアー下部のチャレンジャー大会を主戦場としている選手だが、今回予選を勝ち抜き、本戦に上がって初戦を突破してきた。

 大会序盤の対戦では、第6シードの錦織が、ランキング下位の選手からの挑戦を受ける立場にある。今年の全米で身につけている錦織流のポジティブ思考が、序盤戦にどう活かされていくのか見守りたい。

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