4戦全敗のライバル復活も歓迎。錦織圭は「打倒トップ2」で全米に挑む (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by Getty Images

「なかなかまだ勝てない相手がふたり......、(アンディ・)マリーとジョコビッチがいますので」

「アンディには五輪で簡単に負けたし、ジョコビッチにもトロントで負けた。まだまだ改善点がたくさんある。近づいているとは感じているが、課題を克服し、特にトップのふたりであるジョコとアンディに勝ちたい」

 五輪後の錦織は改めて、「打倒トップ2」への決意を露わにした。

 さらにはもうひとり、錦織が注視を向ける選手がいる。

 リオ五輪の銀メダリスト、フアン・マルティン・デル・ポトロ(アルゼンチン)――。20歳で全米オープンを制した、かつての"未来の王者候補"は、度重なる左手首の手術と2年以上に及ぶ離脱期間を経て、今回のオリンピックで完全復活した感がある。わけても、初戦でジョコビッチを破った熱闘は、世界のテニスシーンに衝撃を与えた。

 ちなみに錦織は、この1歳年長の長身アルゼンチン人と過去4度対戦し、一度も勝っていない。そのデル・ポトロのリオでのプレーを、錦織は大きな驚異と感嘆、そして敬意を覚えながら見ていたという。

「すごかったですね。テニスが......なんて言ったらいいかわからないですが、すさまじかったので。フォア(ストローク)が今、ツアーで一番いいんじゃないかというくらい強烈でした。バックも思ったより打っていたし、スライスも交ぜながらうまくプレーしていた。サーブとフォアがあれだけいい選手は、彼が一番だと思います」

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