ラオニッチが悪童マッケンローから学んだ「対戦相手の嫌がること」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

「僕らはふたりとも、ものすごく負けず嫌いだ。また、ふたりとも明確な目標を立て、その達成に向けて道順や計画を立てていくタイプなんだ」

 そんな"新師弟"が同じゴールを見据え、そこに到る道筋も共有していることは、両者が語る「取り組み」が合致していることからもうかがえる。

「マッケンローから真っ先に教わったことは何か?」

 ウインブルドン開幕前にそう尋ねたとき、ラオニッチはよどみなく即答した。

「対戦相手に、いかに『心地悪い思い』をさせるか。そして、ひとつのプレーや1本のポイントがいかに試合の流れを変えることができるか。それらのことを教わったんだ。

 さらには、僕自身がコート上のどこにポジションを取るべきかを重点的に学んだ。どのようなポジションからプレーをスタートするべきか、特にネットプレーの際にどこに立ち、どうやってアングルをカバーして次のボレーにつなげるか......ということに取り組んでいるんだ」

 一方のマッケンローも、解説者として『BBC』に出演した際、「一番最初にラオニッチに教えたこと」として、次のように語っている。

「ミロシュと真っ先に取り組んだのは、コート上でのポジショニングだ。コートのどの位置から、一連のアクションを始めるかということ。どのように動いて、コー ト上のどの位置に移動するかということ。彼はすごく頭のいい選手だから、飲み込みは早かった。彼の両親は、いずれも科学者なんだ。だからミロシュも、コー ト上でどう動くべきかを幾何学的に理解していったんだよ」

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