マイケル・チャンは言う。「錦織圭の夏は全米オープンが最優先だ」 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 痛みがありながらも試合に出たのは、ケガの状態をかんがみての、チームとしての判断だった。それは錦織本人の「折れたりするような場所ではないので、多少悪くなっても、そんなに大事にはならないとドクターにも言われていた」という言葉とも合致する。

 現在、「チーム圭」には、"スーパーコーチ"のチャンをはじめ、ツアーコーチのダンテ・ボッティーニ、身体のケアを担当する中尾公一、そして今年4月から新たに"ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト"であるロビー・オオハシも加わった。

 彼らはそれぞれ役割が異なれば、錦織と過ごす時間にも差異がある。この面々から成るチームの機能性や完成度は、チャンの目にはどう映っているのか?

「僕 らは常に全員が、情報を共有するようにしています。ナカオは圭のことを長く知っているし、すべての大会に帯同している。ロビーはいくつかの大会に帯同し、 そのなかでフィジカルのレベルを上げる戦略を立てています。実際に圭のフィジカルは向上し、2014年以降、毎年よくなっています。もちろん、まだパー フェクトではないけれど、それは改善の余地があるということ。

 トレーニングブロック(年に数回定期的に設けるトレーニング期)では、僕の 元トレーナーであるケン・マツダも加わっています。すべてのスタッフがハイレベルであり、仕事に全力で打ちこんでいる。今のテニス界では、テニスの技術と 同じくらいフィジカルの重要性が上がっているので、これからも強化は続けていきます」

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