マッケンローがメンタル強化したラオニッチは、フェデラーに勝てるか (4ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 準決勝でラオニッチは、第3シードのロジャー・フェデラー(3位、スイス)と対戦する。2年前のウインブルドン準決勝でも対戦し、その時は4-6、4-6、4-6でラオニッチが敗れている。対戦成績は、ラオニッチの2勝9敗だが、直近の対戦である2016年のATPブリスベン大会の決勝では、ラオニッチが6-4、6-4で勝って優勝している。

 ラオニッチは、マッケンローのポジティブ思考が身に付いてきたのか、フェデラーと対戦したかったと力強く宣言する。

「僕と僕のチームには、はっきりとした目的と同じゴールがある。だからこそ、ジョンが喜んで加わってくれたんだと思う。それらを成し遂げるためには、ベストトーナメントでベストプレーヤーを破らなければいけない。この機会を楽しめたらいいですね」

 ベストトーナメントであるウインブルドンで、ベストプレーヤーであるフェデラーを破る――。これこそが、ラオニッチがやり遂げたいことの一つであり、彼の真価が問われる一戦になるといっても過言ではないだろう。そして、マッケンローの助言をラオニッチが活かして、フェデラーに対しても、自分の存在感をより大きく示すことができれば、勝機をつかめるはずだ。

「グランドスラムで大きな結果を出したい」と語るラオニッチ。これは、彼のチームの最大の目標でもあるはずだ。ウインブルドンで自身初となるグランドスラム決勝進出をかけ、グラスコートの元王者フェデラーとの大一番に挑む。

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