全仏ベスト32の大坂なおみ。全英は200㎞サーブでエースを狙え (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 第2セット以降は、ハレプが早い展開を心がけ、大坂を動かすと同時に彼女の時間を奪ってパワーを封じ、ミスを誘った。

「自分を奮い立たせようとし、彼女のやってくることを恐れないようにした。でも、たくさんのミスをし過ぎた。(ハレプは)安定していたし、私より経験豊富だ」と語った大坂は、試合終盤に入るとナーバスになり始めてミスも増え、結局4-6、6-2、6-3の逆転負けを喫した。

 ハレプは「すごい才能を持っている」と大坂を称えたが、初めてのトップ10プレーヤーとの対戦で、大坂はウィナーを26本決めたものの、ミスを38本犯した。セカンドサーブのポイント獲得率は32%にとどまり、自分の持ち味を出せなかった。それでも、初めての全仏で、18歳ながら大坂が残したベスト32は立派な成績だ。

「正直に言えば、全豪で3回戦に進出したので、今大会では、さらにいい成績を残したいと思っていました。でも、クレー(土のコート)は自分にとってベストサーフェスではないことはわかっていました。(ここで)自分は、世界のベストプレーヤーの一人としてプレーし、何とかハレプを少しでも追い詰めようとしました。全豪3回戦よりいいプレーができたし、今回の経験から学んでいきたい。(負けたけど)終わってみるとハッピーです」

 今回の全仏は、大坂が1カ月半前から新たに指導を受けているアントニオ・ヴァン グリチェンコーチと初めて臨んだグランドスラムだった。彼は2005年から16歳のビクトリア・アザレンカを指導して、5年間一緒にツアーを回り、彼女をジュニアからプロへ導き、世界のトッププレーヤーに育て上げた実績を持つポルトガル人コーチだ。大坂の全仏での結果を次のように評価している。

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