全仏初勝利のダニエル太郎が語る「27歳で迎える東京五輪」 (5ページ目)

  • 内田暁●取材・文・写真 text & photo by Uchida Akatsuki

 日本との"コネクション"を強めるに従って、彼は日本人選手たちとの交流も深めてきた。それは必然的に、世界のトッププレーヤーである錦織圭も身近な存在と感じ、新たなモチベーションを得ることにもつながっている。わけても、今年2月末のデビスカップ対イギリス戦で日本代表に選ばれ、「アンディ・マリー対錦織圭」の死闘を間近で見た経験は、ほかでは得がたい刺激となったようだ。

――錦織選手対マリーの試合を見た感想は?

ダニエル あのときは、なんていうのかな......試合のレベルに本当に驚きました。もちろん、デ杯チームの責任として日本の応援をしなくてはいけないけれど、2セット目が終わったころには、もうそんなことが頭に入ってこなくて......。ボールの打ち方とか、とにかく「すごい!」と思いながら見ちゃってました。こういう試合がある場所に僕も辿り着いてきたのかな、とも思ったりして。本当に感動でした。

――何が一番、すごいと感じました?

ダニエル いやもう、5セットずっと同じ高いレベルでやっていて、ふたりとも疲れているとは見えましたが、疲れながらもずっとレベルを保っていた。圭くんのボールのスピードやコントロール、捕らえ方もすごいし、マリーもよく走るなって。いろんなことがすごかったです。

――その、ものすごい試合をする錦織選手と、練習したり、ご飯を食べに行くことは有意義?

ダニエル そうですね。特に練習をしてくれることや、身近で練習を見られる環境にいられるのは、最高だと思います。でも、ご飯に行くときは、普通の若者って感じで(笑)。「圭くんが特別」っていう雰囲気はなくて、それはそれですごくいいと思います。トップ選手が相手だと意識しちゃうこともありますが、圭くんにはそんなふうに感じないし(笑)。

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