全仏オープン開幕! 錦織圭はグランドスラム制覇へ「ピーキング」 (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 また、新たにロビー大橋トレーナーを、MS・インディアンウェルズ大会やMS・マドリード大会に帯同させ、トレーニング強化に努めてきたが、今回の全仏でも行動を共にし、体力的に厳しい状況で戦う試合に対処しようとしている。

「ヨーロッパの期間が自分の中で重要だった。いつもケガに近いことが起きていた。長いヨーロッパ遠征の中で、今週(全仏の直前週)だったり、バルセロナの後だったり、1週間空くときがあるので、トレーニングをその間でしっかりやることは、前々から課題にしていた。今回、ロビーとやって、すごく体がフレッシュな状態を保てている。同時に追い込むこともあるので、つらいはつらいけど、すごく身になっているのを感じている」

 今回の全仏で錦織は、ロジャー・フェデラー(3位)の欠場により、1つ繰り上がって第5シードになり、大会ドローのボトムハーフに入った。1回戦の相手は、シモネ・ボレリ(116位・イタリア)。昨年のウインブルドン以来の対戦となるが、錦織の2勝0敗で、クレーでは初対決となる。

「芝よりは、自分の時間を持ってプレーできるので、その分早い展開にはされにくいと思う。よりじっくり自分のテニスができると思う」

 錦織はそこを勝ち上がると、2回戦では、アンドレイ・クズネツォフ(40位、ロシア)とベンジャミン・ベッカー(94位、ドイツ)の勝者と対戦する。クズネツォフとの対戦成績は錦織の0勝1敗。ベッカーとの対戦成績は錦織の2勝1敗だ。

 3回戦からはシード選手同士の対戦になり、シード順通りに勝ち上がると想定すると、3回戦では第28シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ(30位、ウクライナ)で、錦織の5勝0敗。4回戦では、第9シードのリシャール・ガスケ(10位、フランス)で、錦織の2勝6敗。前哨戦のMS・マドリード大会で、錦織がガスケから初勝利し、続くMS・ローマ大会でも錦織が勝って、ガスケへの苦手意識は解消されつつある。

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