【テニス】リミットは全仏。
日本人は何人「リオ五輪」に出場できるか

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 4月上旬から6月上旬にかけての約2ヶ月間、テニス界の主戦場は、欧州を中心とする「クレーコートシーズン」となる。

4年前のロンドン五輪で錦織圭は日本代表として戦った4年前のロンドン五輪で錦織圭は日本代表として戦った ボールが高く弾む、あるいは足もとが滑るなど、独特の性質を持つクレーは得手・不得手が大きく分かれるコートだ。スペインや南米育ちの選手たちは赤土の上で水を得た魚のように躍動し、逆に苦手な選手たちはダメージを最小限にとどめるべく、我慢の季節を強いられることになる。

 そして今年の「赤土のコート」には、例年以上に多くの選手たちの喜怒哀楽が、より色濃く塗りこめられることになりそうだ。なぜなら、全仏オープンが閉幕した翌日の6月6日に発表される世界ランキングこそが、リオオリンピックの出場選手を決めることになるからである。つまり、今年のクレーシーズンとは6月5日をタイムリミットとした、「オリンピック出場権獲得レースのラストスパート期」とも言えるだろう。

 テニスにおけるオリンピック出場選手は、国内選考会等ではなく、基本的には世界ランキングに準じて決まることになる。

 オリンピック競技の男女シングルスに出場できる選手は、それぞれ64名。そのうち56選手は6月6日発表のランキングによって出場権を得られ、残りの8名分は「自国開催枠」「地域別枠」「ワイルドカード」等に充てられる。したがって、本来はランキング56位以内に入っていれば出場権を得られるのだが、1ヶ国あたりの出場上限が「4名」と定められているため、ランキングが高くても弾かれる選手も出てしまう。

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