錦織圭の父が語る「絶対王者・ジョコビッチ超え」に必要なもの (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 もっとも苦手とするインディアンウェルズから一転、過去2大会連続でベスト8以上に勝ち進んでいる得意のマイアミでも、錦織は自らが掲げた"ふたつのカギ"で、勝利への扉を次々に開ける。

 特に準々決勝のガエル・モンフィス(フランス)戦では、第3セット終盤で0-40と相手に3連続マッチポイントを握られるも、スピンをかけてコーナーを突くサーブを風下から打ち、2連続サービスウイナーを決めてみせた。計5本のマッチポイントをしのいだこの試合は、彼が窮地に立ったときほど集中力を研ぎ澄まし、その時々でもっとも効果的なサーブを打てること。そして己を律し、絶体絶命の崖っぷちからでも生還できる選手であることを証明していた。

 だが、その錦織が決勝のジョコビッチ戦では、崩れた。最初のゲームでは長い打ち合いを制し、主導権を掌握してブレークする会心のスタートを切りながらも、続くゲームではダブルフォールトもあり、ブレークバックを許す。

 セカンドセットの第1ゲームも、30-0とリードしながら、ダブルフォールトを絡めたミスの連続で失う。第2セットのファーストサーブの確率は46%。重ねた30個のアンフォーストエラー(自ら犯したミス)が、敗戦の理由を浮き彫りにした。

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