錦織圭、マイアミOP準優勝。王者ジョコビッチに勝つ術はあるのか (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 一方、錦織は、マイアミでマスターズ1000の初優勝はならなかったが、決勝まで進出したことは自信にすべきだろう。

「いい試合も今週はあったので、すごく収穫のあった1週間だったと思います」
 
 このように語った錦織のマイアミでのプレーを、ダンテ・ボッティーニコーチは、次のように評価した。

「圭が準決勝で、マイアミでのベストプレーができたことをとてもうれしく思います。すごく安定していたし、スマートなテニスで、とても集中できていた。圭はあらゆるプレーがうまくいっていて、見ていて感心します。すごく落ち着いていて、決してあきらめない」

 現在キャリアベストにあるジョコビッチの弱点を見つけるのは、錦織だけでなく、どの選手にとっても至難の業だ。それでも、ジョコビッチに勝つためには、まずメンタルが大切だとボッティーニコーチは指摘する。

「相手が誰であろうと、倒せると信じることです。強い心を持って、できると自分自身を信じることです」

 ジョコビッチと対戦するたびに、錦織は「彼とやる時は、自分の弱さが見えてくるので、楽しみな挑戦ではあります」と話し、自分の成長に欠かせないものだととらえている。

 今回の決勝でいえば、ロングラリーに耐えられなかったことや、ミスにいらだちラケットをコートに投げてしまったことや、120%のテニスをして試合終盤に左ひざが悲鳴をあげてしまったフィジカル面などが、錦織の弱さだった。次にジョコビッチと対戦する時までに、錦織がそれらをどう克服するかが課題になる。

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