ボッティーニコーチも自信あり。「圭はマイアミで優勝を狙う」

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「ほとんどの選手が、圭のセカンドサーブをアタックするべきだと気づいています」

 ボッティーニコーチも認識しており、錦織と対策を話し合い、昨年からサービスの改善に努めている。

「サーブのトスを、(錦織の目線から)もう少し右側に上げて、コートの中でボールを捕らえて、サーブを打ち終えるようにアドバイスしています」
 
 さらに、錦織のセカンドサーブはスピードとパワーがないため、工夫が必要だとも指摘する。

「セカンドサーブをいろいろミックスしようと試みています。少しスピンサーブの回転量を増やしたり、もっとスライスを使ったり、単調にならないように、異なった種類サーブを使うようにアドバイスしています。うまく機能してきていると思います。でも、もちろん試合が接戦になると、それを実行するのが少し難しい時もあります。当然プレッシャーがかかりますから。だからこそ、僕たちは練習に取り組んでいるのであって、圭もそれをわかっています」

 錦織のサーブの工夫は、マイアミオープン3回戦で第27シードのアレクサンドル・ドルゴポロフ(29位、ウクライナ)を、6-2、6-2とストレートで破った時にも見られた。錦織は風上からサーブをする時、絶対サービスブレークをされないように心がけた。風下からは、なるべくファーストサーブを入れるようにしたり、セカンドサーブのサーブの時には、リターナーのボディー(正面)に入れたりした。

 サーブのプレースメントを重視し、いろいろ工夫して状況を打開するのは、もともと錦織が持ち合わせているゲームセンスであり、彼の真骨頂でもあるのだ。

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