2016.03.14

錦織圭がドーピングを語る。
「最悪なのはトイレに行った瞬間」

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 だがその一方で、彼女の”ケアレスミス”を厳しく糾弾する声や、テニス界に与えたダメージに対する責任を問う声も、少なからず選手間から上がっている。

 シャラポワは、今回の検査で陽性反応が出たメルドニウムが、「今年から禁止薬物となったことを知らなかった」と主張。その発言を受けラファエル・ナダル(スペイン)は、「もちろん、マリアのミスから起きた事態であり、彼女が意図的に摂取したとは思いたくない」と前置きしつつも、「それでも、彼女の過失はルールに反するものであり、その代償は払うべきだ」と断言。アンディ・マリー(イギリス)にいたっては、シャラポワが過去10年に渡ってメルドニウムを「健康不良の治療の目的で飲んでいた」件に関しても、懐疑的な目を向けた。

「今年1月1日以降、メルドニウムに対して陽性反応の出たアスリートは、さまざまな競技ですでに55人にものぼっていると何かで読んだ。これだけの数のトップアスリートが体調に問題を抱えていたというのは、僕には奇妙に思えて仕方ない」。

 さらにマリーは、ITF(国際テニス連盟)等から送られてくる禁止薬物等に関するメールや手紙は、「自分でもすべて目を通すし、医師などの専門的な知識を持った人にも必ずチェックしてもらう」と言う。対してナダルや錦織のように、「チームの信頼できるスタッフの人たちに任せている」という選手も少なくない。