本命不在の女子テニス界。
日本人選手もトップを狙える!

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 混沌の女子テニス界の現状は、土居や日比野たちの目にも、「ブレイクの好機」として映っている。先の全豪オープンで、ケルバーをマッチポイントまで追い詰めた土居は、「確実に言えるのは、全豪優勝者に勝ちかけた事実があること。誰が相手でも、今は『ぜんぜん勝てるよね』と思えるところまで来ている」と、特に意気込むふうでもなく、サラリと言った。

 日比野もまた、「誰にでもチャンスはあるんだな......というのは、ヒシヒシと感じている」と、穏やかな口調で語る。それは、トップ選手のみが参戦できるツアーに身を置いているからこそ、肌身で感じ取ることができる空気感だ。

 順風満帆な道を歩んできたわけでは、決してない。微かな劣等感と、芯の通った反骨精神をバネにし、今の地位まで這いあがってきた彼女たちだからこそ、その言葉は強く響く――。



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