全豪8強。 最強ジョコビッチに挑む絶好調の錦織圭にチャンスあり (2ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 ツォンガが背中に違和感をおぼえて、メディカルタイムをとる一方で、錦織は3回戦で治療した右手首の不安を全く感じさせないような充実のプレーを披露。最大の武器であるフォアハンドストロークのウィナーは16本を記録し、今大会進化を見せるネットプレーも21回中15回成功させ、錦織らしい攻撃テニスが冴えまくった。

 今回のベスト8で、錦織は全豪ではマッチ20勝6敗とし、グランドスラムの中では通算で一番安定した成績を残している(USオープン13勝7敗、ローランギャロス(全仏)8勝5敗、ウインブルドン8勝6敗)。

 大会第2週にピークを持っていくために錦織なりに工夫もしている。グランドスラムで、選手は基本的に1日おきに試合をしていくが、錦織は試合のない日の練習を軽めにして体の回復に努め、いかにリラックスするかに重きを置いている。ちなみに、昨年のローランギャロスでは試合のない日ごとに、錦織は必ず買い物に行って、気分転換を図っていたという。

「1~2回戦は集中してできていますけど、疲れが出てくるし、相手も強くなってくるので、3~4回戦は集中力を保つのが大変というか、気持ちをさらに入れないと、ちょっとふっと抜ける時がまだありますね。ここからさらに一段階上げていかないといけない」

 こう語った錦織の準々決勝の対戦相手は、全豪で5回優勝し、ディフェンディングチャンピオンで第1シードのノバク・ジョコビッチ(1位、セルビア)に決まった。昨シーズン、28歳にしてキャリアベストのテニスを披露したジョコビッチは、2016年開幕戦のATPドーハ大会(カタール)で優勝して、好調を維持し続けている。


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