全豪OP直前。錦織圭と世界トップはどんなオフを過ごしたのか? (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by Getty Images

 また、シーズン開幕戦となるブリスベーン国際では、「テニスのリズムを掴むため」にダブルスにも参戦した。この大会での錦織は、シングルスでは準々決勝で敗れて2試合しかこなせなかったため、ダブルスでも2試合戦えたことは、貴重な実戦経験になったはずだ。

 対して、昨シーズン82勝6敗という驚異の勝率および試合数を誇った"絶対王者"ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、今回のオフではIPTL出場を取りやめ、エキシビション等にも出ずに心身のリフレッシュに努めてきた。約2週間はラケットを握らず、トレーニング開始後もジョギングや水泳、サイクリングなどに時間を割いてきたという。

「心身をリフレッシュするためにも、僕はしっかり休みを取るタイプ。たとえ数週間はテニスをしなくても、技術やテニスの感覚はすでにDNAに組み込まれているよ」と、コートを一定期間離れることに関しても不安はないようだ。その言葉を証明するかのように、開幕戦となるカタールオープンでは、ひとつもセットを落とすことなく優勝。「この優勝は、今シーズンを戦う上でも大きな力になる」と、言葉にも表情にも、揺るぎない自信をみなぎらせていた。

 そのジョコビッチとカタールオープンで決勝を戦ったラファエル・ナダル(スペイン)は、「ほぼオフなし」の年末を過ごしてきた。完全オフを取ったのはわずか数日で、以降はチャリティマッチやIPTLに出場。その後も故郷のマジョルカでボールを多く打って追い込んだ後、年明けと同時にアブダビで行なわれたエキシビション大会に参戦した。

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