錦織に続き世界へ。女子テニス世界ツアー優勝者に聞く・土居美咲 (3ページ目)

  • 神 仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「メンタルもフィジカルもタフな試合で、何とか食らいついて、本当に最後の最後で突き放せて勝てた」

 さらに「初戦を勝ててのれた」という土居は、準々決勝で元世界ナンバーワン、第5シードのイェレナ・ヤンコビッチ(同22位)に7-6(4)、7-5とストレート勝ちを収めた。

「すごくフィジカルな試合でした。ヤンコビッチに勝つには、これだけ大変なんだと終わった後に感じた。彼女には鉄壁の守りがありますし、そこを崩していく中で、自分も粘り強さが必要となり、攻撃的でなければならない。本当に最初から最後まで気が抜けなかった。正直2セットで勝ててよかったと思いました」

 土居が上位選手に勝ち切り、勝負強さを発揮できたのはザハルカコーチの指導によるところが大きい。彼は彼女の最大の武器であるフォアハンドストロークに注文をつけていた。

「ずっと言われているのは、スイングスピードを上げろということです。10%でもいいからボールの質を上げて、ボールの重さや速さを上げて、そのことによって相手が少しずつ追い込まれていく。自分でもいいボールを打てている感触はありますし、力負けしない」
 
 さらにコーチは、メンタル面からも土居を強化した。

「クリスは絶対的な確信があるような言い方をするんです。例えば、勝ってほしいではなく、いや勝てるでしょって。クリスは本当に信じ切っている。微妙な違いですけど、それを常に言われていると絶対勝てると信じられる気持ちになった。それで試合に臨むと違います」

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