錦織圭、ツアーファイナルズでフェデラーと今季初対戦はあるか!? (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 そうなると気になるのが、最近の錦織の戦績と傾向である。9月に全米オープンの初戦で敗れて以降、10月のジャパンオープンではベスト4に進んだものの、上海マスターズでは3回戦で敗れ、パリ・マスターズでも3回戦でケガによる途中棄権に終わった。棄権の原因となった脇腹の痛みに関しては、所属マネージメント会社や錦織も、「ロンドンには100%の状態で挑める」と発表している。

 もっとも選手は、自分の身体については多くを語らぬもの。それは錦織に限ったことではなく、どの選手も常に、どこかに痛みや故障の火種を抱えながら、厳しく長いツアーを戦っている。それがシーズン終盤のこの時期となれば、なおのことだ。この件に関しては、本人が「大丈夫」と言う以上、周囲があれこれ詮索しても仕方がないだろう。

 では、錦織のテニスの状態そのものはというと、決して悪いわけではない。上海マスターズ3回戦では敗れながらも、「ここ最近では一番と言ってもいいプレーだった」と語り、パリ・マスターズのリシャール・ガスケ(フランス)戦では、好調の相手を上回る攻撃力を見せていた。

 ただ、最終的に好プレーが勝利に結びつかないのは、勝敗を分ける数ポイントを取り切れていないため。ガスケ戦の第1セットでは、7本あったブレークポイントを1度もブレークできずに終わっている。加えるなら、同大会2回戦のジェレミー・シャルディー(フランス)戦では勝ったものの、18本あったブレークポイントを14本逃したことが、フルセットまでもつれ込んだ苦戦の原因だった。

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