2015.09.30

ベテラン勢の支配が続く男子テニス。「世代交代の機」はいつだ?

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

「フェデラーは作戦や自分のテニスを変えながら、またテニスを楽しんでいるのが伝わってくる。ここにきてまた強くなりそうな感じがあるので、やっぱり尊敬できる」

 錦織圭も、フェデラーに改めて畏敬の念を覚えていた。

 結果として全米オープンを制したのは、その妙技をたずさえたフェデラーを頂上決戦で破ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)だ。今季、全仏オープンを除く3つのグランドスラムを制し、全仏でも決勝まで勝ち進んだこのジョコビッチこそが、現在の男子テニス界を統(す)べる絶対的な存在であるのは疑いようがない。

 だが同時に、一層スピード感を増した速攻テニスをひっさげて決勝まで駆け上がったフェデラーが、「ストップ・ザ・ジョコビッチ」の最右翼に名乗りを上げてきた。今年8月で34歳を迎えたテニス界・伝説の男は、敬意と同時に過去の存在と連想させる「レジェンド」という言葉を拒絶し、「挑戦者」として飢餓感をたぎらせている。

 このフェデラーの復調に象徴されるように、今季のグランドスラムも終わってみれば、ベテラン勢がその牙城の強固さを誇った。28歳のジョコビッチは4大会すべてで決勝に進出し、フェデラーも2大会で準優勝。ジョコビッチと同い年のアンディ・マリー(イギリス)は4大会のうち3大会でベスト4(全豪オープンは準優勝)に進み、今季の全仏オープン王者で30歳のスタン・ワウリンカ(スイス)もウインブルドンを除く3大会でベスト4以上に進出している。