錦織圭まさかの1回戦敗退。M・チャンコーチ「圭はまだまだ成長中」 (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 過去の対戦で、ペールに2勝していた錦織は、ペールのバックハンドストロークについて、自分の中では五本の指に入ると高く評価していた。スピードの速いラリーでは、ペールがウィナーを打ち込む場面が多く見られた。さらに、身長196センチから打ち下ろされる高速サーブが、錦織にリズムをつかませなかった。

 だが錦織は、苦戦しながらもセットカウント2-1、第4セットのタイブレークで2回のマッチポイントをつかむが、いずれも錦織のミスによって逃した。

「4セット目のタイブレークを、頭で引きずっていた。彼をどう崩すか、頭に入っていなかった。自分のテニスが悪かったというよりも、彼の好きなテニスをさせてしまった」(錦織)

 昨年の左ひざのけがから復活したペールは、試合中にアップダウンのある選手で、集中力が持続しないことが多かったが、今回は最後まで崩れることなく、21本のサービスエースを打ち込んだ。結局、錦織は、4-6、6-3、6-4、6-7(6)、4-6で敗れ、昨年準優勝のランキングポイント1200点を守ることができなかった。全米後、錦織のランキングは7位前後に落ちる予定だ。

「多くのポイントを守ることは簡単なことではないから、たぶん圭はナーバスになったんじゃないかな。自分のキャリアの中で最も大きな勝利です」。錦織から初めて勝利を挙げたペールは、興奮気味に試合を振り返った。錦織にとって、1回戦にしては、タフな対戦相手ではあったものの、まさかの敗戦で記者会見での彼の表情は終始硬かった。実は、2015年シーズンでの錦織の1回戦負けは、今回の全米が初めてのことだった。

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