全米OP開幕。錦織圭が「去年負けて良かったのかも」と語った真意 (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 その悔しさを共有した、フルタイムツアーコーチのダンテ・ボッティーニ、トレーナーの中尾公一、そしてもうひとりのコーチのマイケル・チャン……昨年ともに戦ったチームの面々は、今年も全員、ニューヨークに顔を揃えた。
 
 先週のシンシナティ・マスターズはでん部の痛みもあり、大事を取って欠場したが、先週の水曜日からは、チャンが現役時代から師事するトレーナーのケン・マツダ氏もチームに合流。フロリダのIMGアカデミーで1週間、みっちり練習と身体づくりに取り組んできた。

 また、夫人の出産もあって全仏オープン以降は離れていたチャン・コーチも、今回は久々のトーナメント帯同。彼が加わることで、チームの緊張感は一気に増した。

 待望の男児が誕生したチャンではあるが、錦織は、「男の子が生まれて少し丸くなるかなと思ったら、まったくなくて。厳しさは相変わらず」と苦笑いする。もちろんそれは、冗談交じり。「それが彼の良いところ。今回も練習中にアドバイスもたくさんいただき、けっこう新しいこともプレー中に試している。それがうまくいっているし、彼がいることの効果は本当にあります」と、元世界2位の存在の大きさを改めて認識した。

 開幕を2日後に控えた練習でも、チャンたちスタッフが厳しい視線を送るなか、午前中はIMGアカデミーの大先輩でもあるトミー・ハース(ドイツ)と、そして午後はドルゴポロフと実戦さながらの緊張感に満ちた試合形式の打ち合いを見せている。さらに、今回はケン・マツダ・トレーナーもニューヨークに呼び寄せ、大会開幕までの期間も、2週間戦える身体づくりに励む予定だ。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る