全仏オープン新時代へ。絶対王者ナダルが錦織圭に屈する! (3ページ目)

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 ちなみに、マドリード大会の決勝でナダルを圧倒したマリーは、意外にも昨年までクレーでの優勝がなかった。それが今年、ミュンヘン大会で自身初のクレータイトルを手にすると、翌週のマドリードでもミロシュ・ラオニッチ(カナダ)、錦織、そしてナダルを立て続けに破り、クレー2大会連続優勝。一気に、全仏の優勝候補に躍り出た。

 だが、それでも、「僕に言わせれば、彼(ナダル)こそが優勝候補の最右翼だ」と明言するのは、ナダルの生涯のライバル、ロジャー・フェデラー(スイス)だ。

「彼が過去10年で何を成し遂げてきたかを、決して忘れてはいけない」

 さらに、「テニス史上最高の選手」と称される33歳は、こうも続ける。

「グランドスラムは、5セットマッチ。そうなれば、ラファ(ナダル)がどれだけフィジカルとメンタルの両面で強いか、誰もが知っていることだろう」

 この、「5セットマッチ」がもたらす効果について、当のナダルはこう私見を述べている。

「5セットマッチは、ベストな選手にとって助けとなる。自分より強い選手に勝つには、3セットよりも2セットを先取するほうが簡単だ。だから、5セットマッチで勝つ選手こそが、ベストな選手と言えるだろう。僕がベストな選手なのか、どうなのか……それは分からない。もし、僕がそうなのだとすれば、5セットは優位に働くだろうし、そうでなければ不利になる」

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