昨季クレー勝率80%超え。データで見る錦織圭の成長度 (4ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 ここでさらに注目したいのは、『対ビッグ4』の戦績だ。錦織のキャリア通算での対ビッグ4戦績は5勝16敗、勝率23.8%。これは、1歳年少で「生涯のライバル候補」と目されるミロシュ・ラオニッチ(カナダ)の7勝21敗、25.0%をわずかに下回る。ただ、この錦織の数字も2013年からの過去2年間に限ってみれば4勝8敗、33.3%にまで上昇した。ちなみに、ビッグ4をのぞく現時点のトップ10選手全員を見ても、対ビッグ4の勝率がキャリア通算で30.0%を上回る者はひとりもいない。

 なお、ビッグ4内での『対ビッグ4』の戦績は、トップに立つのがラファエル・ナダル(スペイン)の64.2%。その後、ジョコビッチが51.9%で続き、フェデラーが44.7%。最も低いのはマリーで34.8%となっている。

 過去の実績や直接対決の成績的には、錦織はまだビッグ4には及ばない。ランキングが4位になっても、「なんとも思わない」と言い続けている理由も、そのあたりにあるのだろう。

 ただ、その差はこの2年ほどで急激に縮まっているのも確かだ。『過去1年間の対トップ10勝率』をビッグ4以外の現トップ10選手と比べても、錦織の55.0%はワウリンカの66.7%に次いで2位。その他の選手たちは、軒並み20%台の数字である。ビッグ4を追う第2集団の先頭に、錦織がいるのは間違いない。

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