昨季クレー勝率80%超え。データで見る錦織圭の成長度 (3ページ目)

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki   photo by AFLO

 そのインディアンウェルズ大会後のことである。決勝を争ったジョコビッチとロジャー・フェデラー(スイス)について問われた錦織は、「もちろん、ふたりとも違うすごさを持っていますが、今はジョコビッチが最強と言うイメージですね」と、素直な想いを口にした。

「どの大会でも優勝争いをしているし、やはりプレイがとても安定している。サーブからストロークへの展開力が彼の一番の武器だけど、ミスもなく弱点が見つからない。彼を崩せている選手も見ない」

 それが、錦織の見る世界王者像だ。フェデラーについても、「一昨年や去年の前半はそれほど良くなかったのに、こうやって去年の暮れから活躍しだして、また世界2位の位置にいる」と言った上で、こう続けた。

「トップに行くには、こういう大変な選手に勝っていかなくてはいけないなと思いました」

 繰り返しになるが、錦織はもはや、ランキングには捕らわれていない。ならば、純粋なる強さを追い求め、ビッグ4追撃を目指す彼の現在地を、ランキングとは別の『戦績』という数字で見てみよう。

 まずは、錦織の『対トップ10』戦績。これはキャリア通算で22勝33敗、40.0%の勝率である。これを過去1年間に限ると、55.0%にまで跳ね上がり、昨年の錦織の躍進を反映する数字となった。

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