伊達公子を抜いたクルム伊達公子。「まだやめるつもりはない」 (3ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「今のランキングで、本戦に入れる最後のチャンス。そのチャンスを逃すのはもったいない」とクルム伊達は語り、彼女が苦手にしているクレー大会の出場に踏み切り、あきらめない姿勢を見せている。

 今後ランキングを再び上げるために、クルム伊達はシングルスに専念することを念頭に置いている。

「ダブルスを捨てざるを得ない状況になってくるのかな。この先も、チャンスがあればダブルスは続けていきたい気持ちは当然あります。ただ、(過去の)自分(のランキング)を越えたというのもあるし、今はそういう時期じゃない。(ダブルスは)再び一からやっても、またある程度のところにいけるという手ごたえというか、自信も経験もある。いったんリセットしてもいいかな、とは思っています。今は、どうやって自分のシングルスのテニスを戻すかを優先せざるを得ない」

 クルム伊達は、5月下旬のローランギャロス(全仏)は予選からの出場になる可能性が高い。そのため、予選突破を狙って、全仏の前にこれまで最小限に抑えて来たレッドクレーでの試合に果敢に挑戦していく。

「今までの私だったら、行かないと言っていたと思うんですけど、行く覚悟を決めました」

 さらに、現状を打破するために、2月のWTAアカプルコ大会から、クリス・ザハルカ氏を新コーチに迎え、2010年の夏からツアーを一緒に回る中野陽夫コーチとのふたり体制になった。

「陽夫さんと話して、同じことを繰り返していても、難しい現実にぶつかってきているだけに、もっと新しい何かを、ということで、もうひとりチームに加えるという選択になった」

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