「優勝の可能性はある」。錦織圭とマイアミの相性がいい理由

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 一方、今回のマイアミ大会は、マイアミのダウンタウンから車で約20分のキービスケーンという島に会場があり、高温多湿で海風が吹きつける。錦織が拠点にしているブラデントンからマイアミまでは、車で約5時間の距離にある。フロリダ半島の南端にあるマイアミは、慣れ親しんだブラデントンの環境に似ているのだ。

 そのため、この地で開催される大会と錦織の相性はすこぶる良い。17歳の時、ジュニアの部のルキシロンカップで優勝。20歳の時は、マスターズ1000レベルのマッチ初勝利を挙げた。そして昨年のこの大会では、フェデラーを破って初めてベスト4に進出している。

「マイアミの大会は好きですね。コートや雰囲気にやりやすさを感じます。(ハードコートが)僕にとって、ちょうどいいぐらいの速さ。それに、ロジャーとの試合からは、たくさんの自信を得ました」と錦織自身も相性の良さを認める。

 インディアンウェルズ大会で敗れた後、錦織は一度ブラデントンに戻り、ダンテ・ボッティーニコーチとマイアミ大会に向けて調整した。

「圭の調子はいいよ。インディアンウェルズの後、数日間ブラデントンで、私と一緒に準備してきました」と語るボッティーニコーチが、マイアミでの練習で、たびたび錦織のサーブにアドバイスをする場面が見られた。

「サーブのトスを、目線からもう少し右側に上げて、コートの中でボールを捕らえて、サーブを打ち終えるようにアドバイスしています。これは特別なことではなく、圭のサーブについてはマイケル(・チャン)と一緒にディスカッションしながら取り組んでいます」

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