ラオニッチ撃破。錦織圭がデビスカップで見せた存在感 (4ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

「自分が2勝するのは、絶対なことだと思っていた。(初日の)ポスピシルはもちろんのこと、(最終日の)ラオニッチにも勝つことを自分の目標として掲げていたので、こうしてアウェーで2勝できたのは嬉しいです」

 こう語った錦織の勝利で日本は2勝2敗となったが、第5試合で添田豪(86位)が敗れたため、惜しくもカナダに惜敗。日本は9月18日~20日にWG残留をかけたプレイオフを戦うことになった。

 デビスカップ後、再びツアーに戻る錦織は、今季初優勝を目標に掲げているマスターズ1000(インディアンウェルズ大会とマイアミ大会)の大会に出場する。実はデビスカップ直前、バンクーバーで錦織の練習を見守るマイケル・チャン・コーチの姿があった。

「メンフィスには帯同したけど、アカプルコには行けなかったので、圭のコンディションを見ておきたいと考えました。カナダ戦もそうですが、その後のインディアンウェルズとマイアミまでの約1ヵ月間は、圭にとって非常に大切な時期になると思っています」

 そう語るチャン・コーチは、錦織が初めて世界4位になったことついて、次のように語った。

「(4位は)もちろん素晴らしい功績です。ただ、一時的なランキングに過ぎませんから、気にかけてばかりもいられません。すでに我々は、次を見つめています。そしてこれからも、圭がひとつずつ進化を遂げられるようにしていきたい」

 デビスカップでも抜群の存在感を示した錦織。チャン・コーチとともにマスターズ1000大会初優勝を目指す戦いが、いよいよ北米で始まる――。

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