ラオニッチ撃破。錦織圭がデビスカップで見せた存在感

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 日本男子の中で突出した強さを誇る錦織は、日本のWGベスト4が次の目標だと語る。「可能な目標だと思う」と錦織が力強く言えるのは、彼がワールドレベルで多くの実績を残してきたからだろう。そして、いずれその発言が他の日本男子選手に好影響を及ぼし、日本男子の層がさらに厚くなってレベルアップすることを錦織は期待している。また、植田監督も錦織のリーダーシップに感銘し、日本代表がさらに強くなるように取り組んでいる。

 2日目のダブルスで敗れて日本の1勝2敗で迎えた最終日、第4試合の「錦織対ラオニッチ」は、まさにエース対決にふさわしい好勝負となった。ふたりの対戦成績はそれまで錦織の4勝2敗だったが、簡単に勝負がついた試合はない。時速220キロ以上のサーブをコンスタントに打ち込み、ツアー屈指のビッグサーバーであるラオニッチは、錦織の印象を次のように語る。

「圭はツアーの中で最も動きが素早い選手のひとり。ベースラインの近くにとどまって、タイミング早く打ってくるので、展開がとても速く感じられる」

 試合はワンブレークでセットが決まる際どい展開となった。錦織が3-6、6-3、6-4とリードを奪うも、第4セットでダブルフォルトが絡むサービスブレークをラオニッチに許して2-6。そして迎えたファイナルセットでは、第3ゲームを錦織が先にブレークするも、第6ゲームでブレークバックされて3-3となった。しかし錦織は、「気持ちを強く持っていけたのが一番のカギだった」と踏み止まり、第9ゲームでラオニッチのストロークミスとダブルフォルトを誘って再びブレークに成功。その結果、錦織が6-4でファイナルセットをもぎ取り、3時間5分の激戦を制した。

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