ラオニッチ撃破。錦織圭がデビスカップで見せた存在感 (2ページ目)

  • 神仁司●文・写真 text & photo by Ko Hitoshi

 今シーズン、すでにツアー優勝1回・準優勝1回を果たし、ATPランキングを自己最高の4位に上げて好調をキープしている錦織だが、日本代表として戦うという過剰な気負いはなかった。

「チーム戦ですけど、自分がコートでするべきことは変わらない。ラオニッチは知っていますけど、(初対決の)ポスピシルが何をしてくるのか、しっかりと監督やコーチと相談して、勝つためにやることをコートでやるだけ。特に変わったことをするわけではない」

 カナダ戦初日の第1試合で伊藤竜馬(85位)が負けていたため、日本は絶対に連敗を避けたい場面ではあったが、錦織はまったく動じなかった。第2試合に登場した錦織はポスピシルを6-4、7-6(7-5)、6-3で下し、格の違いを見せつけたのである。

「常に平常心で、(第1試合で日本が)勝っても負けても、自分が勝つという目標は変わらない。特に意識して自分の試合に集中するように、試合前にも心がけていました」

 日本に貴重な1勝目をもたらした錦織を、デビスカップ日本代表監督の植田実は頼もしく感じ、彼の存在が他の日本代表メンバーの成長を促(うなが)していると指摘する。

「チームの中で発する錦織の言葉が、チームを成長させることにつながっている。それを受け取りながら、結果として表せるチームにならなければならない。我々(日本代表)は、彼のランキングにふさわしいチームになっていきたい」

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