神尾米が語る2014年「今季の伊達さんはすごく明るかった」

  • 内田暁●構成 text by Uchida Akatsuki  photo by AFLO

 2014年の日本女子テニス界は、シーズン早々に明るいニュースが舞い込んできた。2月にブラジルで行なわれたリオ・オープンで、22歳の奈良くるみがツアー初優勝を遂げたのである。一方、ベテランのクルム伊達公子も負けてはいない。全米オープンのダブルスで快進撃を見せ、キャリア初の準決勝進出を果たした。元プロテニスプレイヤーの神尾米氏は、どんな想いで彼女らの活躍を見ていたのか。

リラックスした表情で笑顔を見せるクルム伊達公子リラックスした表情で笑顔を見せるクルム伊達公子 今季の日本女子テニス界を振り返るならば、まずは奈良くるみ選手の活躍が嬉しい話題でした。奈良選手は、とにかくミスが少ないですね。無理に打ってミスをするのではなく、しつこく、粘って、粘っていく......。だからこそ、対戦相手が根負けするシーンが多かったのだと思います。相手を自分のテニスに引きずりこんで崩していく、「しつこいぞ~!」と思わせるゾーンを彼女は持っているので、それは他の日本人選手が見習うべき点ではないでしょうか。

 対戦相手は奈良選手に対して、「嫌だな」という印象を抱いていると思いますよ。もし、私が奈良選手と戦うことになったら、「しつこいんだよな~あの選手。長い試合になるだろうなぁ。ミスをしないようにしないとなぁ」と思うでしょうね(笑)。

 あと、奈良選手のフットワークは、やっぱりすごいです。ベースラインから高い打点で破壊力のあるショットを打つには、海外の選手のように身長がないと難しい。だからこそ、奈良選手はフットワークを使ってコートの中に入り、跳ねてから間もないボールを高い打点で打っています。

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