価値あるベスト4。若き日のフェデラーと重なる錦織圭の快進撃 (4ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 準決勝で錦織は、Aグループを1位通過してくると予想される王者ジョコビッチと対戦することが濃厚だ。気がかりなのは、錦織が大会前から右手首にテーピングをして毎試合臨んでおり、決して万全ではないことだ。

「100%の状態ではないので、影響は少しある。いつものように全身を使って、すべてのショットを打てるわけではない。ただ、悪い状態でもケガということでなく、いいプレーは出てきている」(錦織)

 準決勝は15日に行なわれ、回復にあてる時間が1日あることは、錦織にとって大きいだろう。そして、今の錦織は、「失うものは何もない」と言っていた若き日のフェデラーの姿と重なる。最高のシーズンの最高の締めくくりとなるように、ツアーファイナルズの初優勝を狙う強い気持ちで戦う錦織のプレーを見てみたい。

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