価値あるベスト4。若き日のフェデラーと重なる錦織圭の快進撃

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

「1試合目に1勝を挙げたのは、大きな意味があると思う。今まで経験してきたことによって、この大舞台でもあがらずに、しっかり自分のプレーができた。(マリーは)まだ勝っていない相手で、少し苦手意識はありましたけど、今年は自分自身が違う選手になったということを、自分で思い込んでやっていました」

 続くRR2戦目では、錦織は、ツアー最終戦13年連続出場のロジャー・フェデラー(2位)に3-6、2-6で敗れた。33歳のベテランは、年齢を感じさせない躍動感あふれるテニスを見せ、好調のサーブを軸に、サーブ&ボレーを織り交ぜ、超攻撃的なテニスで錦織の反撃を許さなかった。

「やっぱりタフな相手でしたし、今日は特に(フェデラーの)サーブが良かったので、自分にもチャンスはありましたけど、サーブの良さで切り抜けられた。ブレークを一度もできなかった。彼らしいというか、やはり強いなという印象が、一番ありました」

 昨シーズンの不調から抜け出し、強さを取り戻したフェデラーに負けはしたが、ツアーファイナルズという特別な舞台で、尊敬してきた特別な選手と戦えたことは、必ず錦織の財産になるはずだ。

 続くRR3戦目、ミロシュ・ラオニッチ(8位)が太もものケガによって棄権したため、錦織は代替出場のダビド・フェレール(10位)と対戦。4-6、6-4、6-1の逆転で勝利した。2勝1敗となったこの時点で、錦織の準決勝進出は確定していなかったが、次の試合でフェデラーがマリーを破って3勝目を挙げ、Bグループは、1位のフェデラーと2位の錦織が、それぞれ準決勝へ駒を進めた。

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