ツアーファイナルズ展望。数字で見る錦織圭の可能性 (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 獲得できるランキングポイントも大きく、RRで1試合勝つごとに200点を得ることができる。準決勝勝者に400点、優勝者に500点が与えられ、全勝優勝なら合計1500点を獲得できる。

 さらに、賞金総額は650万USドル(約7億4千万円)とかなり高額だ。出場料だけで15万5000ドル(約1800万円)。もしRRで3戦3敗でも、この額は保証される。そして、RRで1試合勝つごとに15万5000ドルを手にする。もし全勝優勝すると207万5000ドル(約2億4千万円)を獲得することができる。

8人での集合写真の撮影で笑顔を見せる錦織圭8人での集合写真の撮影で笑顔を見せる錦織圭 錦織のツアーファイナルズ初出場は、シーズンをとおしてトップレベルで安定した成績を残してきたいわば「勲章」であり、名実共に超一流のトッププレーヤーの仲間入りを果たした証でもある。

 自己最高のATPランキングを5位(大会時、以下同)に上げ、今季ツアー4勝を挙げた錦織は、レギュラーシーズンで52勝12敗、自身初の50勝以上を記録した。

 サービスゲーム獲得率85%、ファーストサーブでのポイント獲得率73%、セカンドサーブでのポイント獲得率55%、ブレークポイントのセーブ率65%といったように、自分のサービスゲームでの充実ぶりがうかがえる。また、相手のセカンドサーブに対してのリターン獲得率が53%で、ツアー全体で6位。錦織得意のリターンからの攻撃が冴えている。

 また、ツアーファイナルズは、インドアハードコートで行なわれるが、錦織は今シーズン、インドアハードで好成績を収めている。メンフィス(アメリカ)とクアラルンプールの2大会で優勝しており、直近のマスターズ1000・パリ大会ではベスト4進出。さらに、優勝した10月のジャパンオープンでも5試合中4試合は雨天のためインドアハードでプレーして勝利した。ツアーファイナルズでの好材料にしたい。

「以前はあまり好きじゃなかったけど、今は(インドアは)意外と好きです。風がなくて気持ちよく打て、サーブが自然と良くなる感覚もある」(錦織)

 RRで、錦織はBグループに入り、ロジャー・フェデラー(2位)、アンディ・マリー(6位)、ミロシュ・ラオニッチ(9位)と同じ組になった。フェデラーは「興味深いグループ」だと語る。

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