全米OP準優勝も収穫大。錦織圭の次なる目標は?

  • 神仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

 2014年USオープンで、第10シードの錦織圭(大会時、11位)は、第14シードのマリン・チリッチ(16位、クロアチア)に、3-6、3-6、3-6のストレートで敗れ、念願のメジャー初制覇はならなかった。

7回目の出場となったUSオープンで準優勝した錦織圭7回目の出場となったUSオープンで準優勝した錦織圭 だが、日本選手として初めてグランドスラムの決勝の舞台に、錦織が立ったことは、日本テニス史上に語り継がれるべき記録であり、その戦いをまぶたに焼き付けた日本人だけでなく世界中の人々の記憶に残っていくことだろう。

「決勝という舞台で、力が出せなかったのは悔しいですね」(錦織)

 準決勝までのふたりのサービスゲームの獲得率は、錦織が89%、チリッチ90%。ただし、サービスエースの数は、チリッチが81本で、錦織の30本を大きく上回っていた。今大会好調のチリッチの高速サーブを、錦織が得意のリターンからどう攻略していくかが決勝のキーポイントだったが、最高時速215kmを記録し、エースを17本叩き込んだチリッチのサーブを、錦織は最後まで崩せなかった。しかもチリッチは、ストローク戦でも仕掛けが早く、いつもならラリーの主導権を握るはずの錦織が後手に回り、凡ミスを30本も犯した。

 また、チリッチとの対戦成績は、錦織が5勝2敗でリードしていたことで、USオープンで初優勝できるかもしれないと意識し過ぎたのか、錦織本来のプレーが出なかった。

「ここまで硬くなったのは久しぶりで、試合に入り込めなかった。正直、(ロジャー・)フェデラーの方が、気持ち的には、やりやすかったかもしれないですね。勝たないといけないというプレッシャーを、自分の中でつくってしまっていた」

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