2014シーズン開幕。クルム伊達公子は2013年を越えられるか?

  • 神 仁司●文・撮影 text&photo by Ko Hitoshi

 クルム伊達公子の2013年は、ベストシーズンだったと位置付けていいのではないだろうか。

 クルム伊達は08年4月から現役再チャレンジを始め、活躍の舞台を日本から世界へ移行してから、テニスの4大メジャーであるグランドスラムに重点を置き、世界最高峰の舞台で再び活躍したいとずっと願ってきた。

2013年は全豪と全英で好成績を収めたクルム伊達2013年は全豪と全英で好成績を収めたクルム伊達 しかし、1回戦でシード選手と当たるドロー運の悪さや、テニス選手としては「超高齢」となるアラフォーとして激戦を続けるなかで、思うように体が動かないこともあり、なかなか良い結果には恵まれなかった。

 だが、13年シーズンのグランドスラムでついに大きな結果を手にした。

 まず、1月のオーストラリアンオープン(全豪)で3回戦に進出し、再チャレンジ後初のベスト32入りを果たした。42歳での勝利は、1968年のオープン化(プロ解禁)以降、大会女子最年長記録となった。

 さらに、6月のウインブルドン(全英)でも、3回戦に勝ち上がり、テニスの聖地で女子最年長のベスト32進出者となった。そして、ウインブルドンのセンターコートで、世界ナンバーワンのセリーナ・ウイリアムスと対峙。一歩もひかない戦いを繰り広げて、世界中のテニスファンにクルム伊達の存在を知らしめた。

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