【テニス】「一番いい年だった」。錦織圭が見据える頂点への道のり (3ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

「年を重ねるごとに、ランキングも上がっていますし、悪くはない。これから、25(歳)を越えてからが大事になってくると思うので、30(歳)ぐらいまでしっかり戦って、結果が出るように頑張らないといけない」

 マスターズ1000大会での初優勝について、錦織は、「まだマスターズはわからないですけど……」と言いながらも、ATPツアー4勝目に向けては、「できたらいいですね」と未来を見据えている。

 さらに、これまでは、出場することをイメージできていなかったワールドツアーファイナルズ(ATPツアー最終戦・年間ランキング上位8人しか出場できない)の出場を意識するようになった。錦織の目標意識に変化が芽生え、新たなモチベーションとなっているようだ。

「今年もチャンスがなかったわけではなかった。徐々に近くなってきている。トップ10入りに加え、そこ(ツアーファイナルズ)も目標にしていきたいです。(出場への自信は)まだなかなか持てないですけど、年の初めにしっかりスタートができれば、チャンスも出てくるんじゃないですかね」

 錦織は、「上へ」という言葉を何度も口にした。それは、かつて彼自身が「(トップ10に)一回入るだけでは意味がない。この何年かで、その地位を確立することが目標」と語ったこととつながっている。トップ10に定着し、グランドスラムでの優勝を狙える選手に成長することこそ、錦織の目標なのだ。

「大きな結果が出せれば」と自らが世界の頂点に立つ未来像を描きながら、錦織の双眸(そうぼう)は、鋭い輝きを放っている。

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