クルム伊達公子がウインブルドンで手にした「新たなモチベーション」 (3ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi photo by Ko Hitoshi

「彼女のサーブが少し浅くなり、リターンのタイミングが合ってストローク戦に持ち込めれば、自分のテニスと自分のリズムでポイントが取れることは、少しだけ見えた部分があった。だから次は、ハードコートでやってみたいなと思います」

 もちろんキーとなるのは、クルム伊達の武器であるリターンだ。セリーナとの再戦は、USオープン(ハードコートのグランドスラム)のセンターコートであるアーサー・アッシュスタジアムの可能性もある。クルム伊達が一度引退した1996年の翌年に完成した世界最大のコートでの試合が実現したら、彼女はそこで初めてプレイできる喜びに笑顔を見せるだろうか。

 いずれにせよ、セリーナとの再戦に向けてクルム伊達の旺盛なチャレンジ精神に新たな火がついたのなら、ウインブルドンセンターコートでの現女王との対峙は、クルム伊達にとって大いに意味あるものになったといえる。

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