今季ダブルス好調のクルム伊達。「過去の自分を抜いてみたい」 (2ページ目)

  • 神 仁司●取材・文 text by Ko Hitoshi  photo by Ko Hitoshi

 一方、今シーズン好調のダブルスでは、全仏直前のWTAストラスブール大会で、キャネル・スキーパーズと組んで優勝し、今季早くもツアー3勝目を挙げた。再チャレンジを始めてからは、実に5回目のダブルス優勝となった。

「(今季3勝は)できすぎかなと思います」と振り返るクルム伊達は、全仏でアランチャ・パラサントーハと組んだが、好調を維持するかのように、1回戦を6-4、6―3で勝利した。

「自分のダブルスの戦い方が見えてきた。ダブルスでいいプレイができているのは、彼女(アランチャ)のおかげ」

 驚くべきことは、クルム伊達が、パートナーを変えてもいいプレイをしていることだ。2月のWTAパタヤシティ大会では、ケシー・デラクアと組んで優勝。4月のWTAモンテレイ大会では、ティメア・バボスと組んで優勝している。

「自分の悪い所をカバーしてくれるか、いい所をお互いに引き出せるかを考えて、(パートナーを)選んでいる。ピタッとイメージが合っているからこそ、いいプレイになっていると思う」

 ただ、少し残念なのは、クルム伊達のWTAダブルスチームランキングが分散してしまっていることだ。WTAダブルスチームランキングの年間上位4チームが、トルコ・イスタンブールで開催される「ツアー最終戦WTAチャンピオンシップス」に出場することができる。固定ペアで、コンスタントに成績を残しているダブルスチームが上位へ入ることになるが、現在、クルム伊達/デラクア組は20位、クルム伊達/バボス組は34位、クルム伊達/パラ サントーハ組とクルム伊達/スキーパーズ組が共に46位だ。

「楽しいからやっているだけで、ダブルス自体が面白く、シングルスとは違う醍醐味がある。イスタンブールまでは考えたことがない。パートナーを固定してしまうと、そういつもうまくはいかないだろうし、変えている方が、お互い新鮮さと緊張感があって、いいプレイになる。出場する大会も、なかなかうまく合わせられないので、いつも一緒に組めるわけではないですから」

 こう話すクルム伊達は、ウインブルドンまではサントーハと組む予定だが、それ以降は誰と組むか未定で、これまで組んできた選手から、ダブルスパートナーを選んでいくつもりだという。

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